由来・歴史
安蓮社は、もとを聖衆庵といい、明和5年(1768年)、浄土宗の大本山増上寺の大僧正に仕える田中文周が、その信仰から増上寺境内の空き地に小さな堂を建てたのがはじまりです。江戸期の高僧、歓誉弁秀大僧正(増上寺第47世)の念持仏であった阿弥陀如来像を戴いて本尊として安置されました。
聖衆庵時代には、増上寺諸大徳によって由緒墓や諸廟塔などの供養勤行が主に修せられ、しだいに、増上寺の念仏道場として使われるようになりました。
安永3年(1774年)10月15日、増上寺第49世安蓮社豊誉大僧正を請じて、開導法会を開筵し、正式に増上寺の不断念仏道場として認められました。
このとき、大僧正の名にちなみ、安蓮社と改称しました。
感激した田中文周は、次のような歌を残しています。
―幾よろず 代々かぎりなく 唱へても なをも称えよ 南無阿弥陀仏―